庭木の剪定ってなにをするの?
庭木の剪定の時期はいつがいいの?
どんな道具を使えばいいの?
このような疑問に答えます。
庭木の剪定について、よくわからない、知らないという人が多いみたいですね。
そこでこの記事では、庭木の剪定について、はじめての人にも分かりやすく解説しています。
現役の庭師が書いている記事は、なかなかないと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
福森造園三代 庭師 庭ラブ管理人
福森 一平
年間250日、100件以上のお寺・個人宅を剪定
技術はあるけどアナログな親方にかわり、受け継がれた剪定の技、庭づくりの技術を発信中。「はじめての人にも分かりやすく」をコンセプトに、庭を愛する人のための情報メディア「庭ラブ」を運営しています。
福森造園公式HP:https://fukumori-zoen.com
それではいきましょう。
庭木の剪定(せんてい)とは樹木の形を整えること
庭木の剪定(せんてい)とは、いらない枝や葉を切り落として樹木の形やバランスを整えることを言います。
ただ切るだけでなく全体の形を整えて木を美しく見せます。
剪定をする理由は先ほどの樹木の形を整えるほかに下記のようなものがあります。
- 木の健康を保つ
- 害虫や病気の予防
- 花・実を大きくする
1つずつ解説していくと
木を元気にする
庭木の剪定をすることで、株への負担を減らし樹木を健康に保つことができます。
害虫や病気の予防
不要な枝、葉を落とすことで風通しが良くなり、害虫被害や病気になるのを防ぐことができます。
花・実を大きくする
花や実を間引くことにより、栄養を集中させて大きく育てることができます
剪定の種類
ひとくちに剪定と言ってもいくつかの種類があります。
1.切り戻し剪定
切り戻し剪定とは、枝を根本から切らずに途中の部分を切る剪定です。
切り戻しをする目的
伸びすぎた枝を切り取ることで、樹形を整えたり、風通しをよくして害虫や病気を予防することです。
また、不要枝を減らして新芽の成長を促す目的もあります。
切り戻しの時期・タイミング
よく晴れた午前中
切り口を早く乾燥させたいため、よく晴れた午前中に行うのが一般的です。
切り口が湿っていると害虫や病気の被害を受けやすくなり、枯れる恐れもあります。
開花が終わったあと
花を楽しんだ後は名残り惜しいかもしれませんが剪定をしましょう。
不要枝や花が咲き終わった枝を剪定することで、栄養を翌年の新芽に集中させることができます。
休眠期から目覚める前
春になり成長が活発になる前に樹形を整えます。
ほとんどの植物は冬に休眠期を迎えるので、春になり新芽がつく前に剪定しておくのが一般的です。
切り戻し剪定のやり方
切り戻し剪定は不要枝を1/2~1/3ほどで切り取ります。
枝を切る場所は基本的に枝の根元と枝の途中がいいでしょう。
枝の途中で切る場合は新芽のすぐ上で切り取るようにします。
枝を観察して少し膨らんだ部分が新芽なので、新芽を残して切ることで、花や枝の数を増やすことも可能。
逆に花や枝を減らしたい場合は枝の根元から切ることで木をスッキリさせることができます。
注意点として、むやみに切り取ると細かい枝が増えて樹形を乱す原因にもなるので、その点は注意しましょう。
2.すかし剪定
すかし剪定とは、密集した枝や葉を切り落としてバランスを整える剪定方法です。
すかし剪定をする目的
すかし剪定をする目的は日当たりや風通しよくすることで病害虫の予防ができます。
また栄養が必要なところにだけ行き渡るようになるので、樹木を健康な状態に保つことができます。
すかし剪定のやり方
実際にすかし剪定をするときには、どのように作業すれば良いのでしょうか?
すかし剪定の手順について確認していきましょう。
すかし剪定では不要な枝、密集した枝を切っていきます。
外側からでは判断できない場合などは、木の下から見上げることで葉と枝のボリュームを確認します。
周りの枝にくらべて太い枝、極端に伸びた枝を元から間引きます。
枝葉の数が均一になるように混み合った枝を間引きます。
最後に枝先の枝と葉を間引いて全体を整えます。葉を間引く際は手でむしるのが簡単でオススメです。
3.刈り込み
刈り込みは主に生け垣などの人工的な樹形を維持するために用います。
先に紹介した切り戻し剪定、すかし剪定にくらべて初心者でも失敗が少ないのが特徴です。
また剪定とは違い、見た目を整えることだけを目的にしています。
刈り込みのやり方
他の剪定にくらべて比較的簡単な刈り込みにも、正しいやり方があります。
誤って木を傷めてしまわないためにもしっかりと確認しておきましょう。
下から上に刈り込む
刈り込みをするときには「下から上」に刈り込むことが大切です。
枝の生えている方向に沿って刈り込むことで、必要以上に刈り込んでしまうことを防止できます。
反対に上から刈り込んでしまうと、深く刈り込み過ぎて力の弱い下の枝が枯れてしまうこともあります。
比較的簡単な刈り込みも「下から上」のルールをしっかり守ってチャレンジしましょう。
刈り込みに必要な道具
刈り込みにはいくつか必要な道具があります。事前に準備して安全に作業を行いましょう。
刈込鋏
まずは刈込鋏です。その名前の通り樹木を刈り込むために作られたハサミなので、枝葉をきれいに切り取ることができます。
刃が長く、ハサミ自体も大きいので重くて扱いにくいと感じる人もいるかもしれません。
しかし最近ではアルミでできた軽量のものも販売されているので、お店で手にとって確認してみましょう。
生け垣バリカン
「ハサミはちょっと難しそう…」という人にはバリカンがオススメです。
初心者の方でも簡単にキレイに仕上げることができて、なによりハサミにくらべて疲れません。
コードレスの充電電池式とコンセント式の2種類がありますが、コードレスタイプの方が取り回しがいいので
初めての人には扱いやすいでしょう。
脚立(三脚)
高い木を刈り込む場合は脚立も必要になります。
ここで注意するポイントは必ず三脚を選ぶことです。
脚立には四脚もありますが、足場が不安定な場所屋外で使用する場合は必ず左右の横揺れに強い三脚を選びましょう。
また三脚であれば1本脚を木に近づけることで、より木の近くで作業することが可能になります。
掃除道具
作業後には枝葉をかき集めなければいけません。そのためには、熊手やホウキも必要になります。
刈り込みをする前に、木の下にシートなどを敷いておけば掃除も簡単になるのでオススメです。
剪定の時期は木によってさまざま
剪定のタイミングは樹木の種類によってさまざまですが、ここでは代表的な3種類の木を紹介します。
一般的には春に備えて、冬の休眠期に剪定する場合が多いので剪定する木のタイミングを調べてからおこなうようにしましょう。
キンモクセイ(金木犀)
2〜3月が剪定に適したタイミングです。
花の咲き終わった11月にも軽めの剪定はできますが、しっかりと形を整えるのは2〜3月が最適でしょう。
ツバキ(椿)
3月中旬〜5月中旬の花が咲き終わったあとが剪定のタイミングです。
遅くても初夏の前までには剪定しておかないと、花芽を切ってしまって翌年の花が咲かない原因になります。
花芽を残すように剪定する方法もありますが、最初のうちは花が咲き終わって茶色になったタイミングで剪定するのがオススメです。
サツキ(皐月)
花が咲き終わった後の6月下旬が剪定のタイミングです。
具体的には開花が終わってから花芽をつけるまでの間がベストなタイミングになります。
全体の8割ほどの花がしおれてきたら早めに剪定を始めましょう。
プロに依頼する5つのメリット
ここまで剪定のやり方や時期について解説してきましたが、より美しく仕上げることを考えるなら、業者に依頼する方法もあります。
業者に依頼するメリットを5つに絞って解説します。
メリット1.仕上がりがキレイ
当然ですが、形を美しく整えてもらえます。
プロの庭師は庭木をキレイに見せる方法を熟知しているので、アマチュアの方とくらべると仕上がりの美しさが全く異なります。
たとえば、福森造園では小さな枯れ枝までキレイに取り除きます。
枯れた枝をそのままにしておいては見た目にも木の成長にも良くないので見つけたら必ず取り除くようにしています。
メリット2.高価な道具を揃えなくてもいい
剪定に必要な道具を揃えようとすると、結構な金額が必要になります。
それにハサミやバリカンなどは定期的なメンテナンスもしなければなりません。
こういった手間を考えるとプロに頼むメリットは大きいでしょう。
メリット3.害虫駆除・病気の予防をしてもらえる
業者にもよりますが、毛虫やハチなどの害虫の駆除もしてもらえます。
一般的には作業後に薬を散布して毛虫の駆除と病気の予防をおこなっています。
また福森造園では作業中に見つけたハチの巣も除去します。
メリット4.片付けとゴミ処理をしてもらえる
一番大変なのが片付けと剪定ゴミの処分です。ビニール袋に何袋も詰めて燃えるゴミとして出すのは重労働です。
その点、業者に頼めば軽トラなどに積んで、そのまま処分してもらえます。
メリット5.ケガの心配がなくなる
高い所での剪定作業は思っている以上に危険です。
誤って転落してしまっては元も子もありません。
無理をせずに少しでも不安に感じたらプロに頼むことが大切です。
プロに依頼するうえでの注意点
最後にプロに依頼する上での注意点をお伝えします。
これからお伝えする注意点をしっかりと確認してから依頼することで、思わぬトラブルを未然に防ぐことができます。
信頼性を確認する
どうせなら丁寧な仕事をしてもらえる業者に頼みたいですよね?
なので信頼性のチェックは欠かせません。
ホームページの有無や施工実績、どれくらい続いている会社か?など、確認できることは事前にしっかりと見ておきましょう。
料金を事前に確認する
事前にどれくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。
庭の規模や植木の数や高さ、松(マツ)の有無などを考慮して見積もりを出すのが一般的です。
相場は業者によってさまざまなので、事前に見積をしてもらうことで「思ったより高額な請求が来た…」などの問題を未然に防ぎましょう。
松(マツ)の剪定ができるのか確認する
もし松(マツ)の剪定も頼みたいのであれば事前に確認しておきましょう。
なぜなら、松(マツ)以外の剪定はできるけど、松(マツ)の剪定だけはできないという庭師さんもいらっしゃるからです。
いざ頼んでみてから、トラブルにならないように事前に確認しておきましょう。
剪定は無理は禁物!業者に頼む選択も視野にいれよう
一口に剪定と言ってもさまざまな方法があります。
天気やタイミングをしっかりと確認して剪定を行いましょう。
また背の高い樹木の剪定は危険も伴います。
少しでも危ないと思ったらプロにお願いすること視野にいれましょう。
いずれにしても、正しい剪定をすることで大切な木を健康で美しい状態に保ちましょう。
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