赤松の剪定のやり方を知りたい!
赤松の剪定時期はいつがいいの?
赤松の害虫対策を教えてほしい
このような疑問に答えます。
赤松(アカマツ)の剪定は、やり方と時期を覚えればとてもカンタンです。
そこで、この記事では「赤松の剪定方法」に加えて、必要な道具や害虫の対策方法まで解説します。
現役の庭師が考える赤松の剪定方法を記事にしました。赤松の剪定に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
福森造園三代 庭師 庭ラブ管理人
福森 一平
年間250日、100件以上のお寺・個人宅を剪定
技術はあるけどアナログな親方にかわり、受け継がれた剪定の技、庭づくりの技術を発信中。「はじめての人にも分かりやすく」をコンセプトに、庭を愛する人のための情報メディア「庭ラブ」を運営しています。
福森造園公式HP:https://fukumori-zoen.com
- 赤松の剪定は初心者にもできるの?
- 赤松の剪定ができるようになるための全体像
- 赤松の剪定に必要な道具
- 赤松の剪定の時期
- 赤松の春剪定「みどり摘み」で樹勢を抑えよう
- 赤松の秋剪定「もみあげ」と「透かし剪定」
- 赤松の基本情報
- 赤松の育て方
それではいきましょう。
赤松の剪定は初心者にもできるの?
初心者でも赤松の剪定はできるのか解説します。
赤松の剪定は初心者でもできます
そもそも、「松の剪定は難しいから、初心者にはできないのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、初心者でも赤松の剪定はできます。
難しいとされる赤松の剪定も、基本的なやり方を理解すれば、だれでも剪定できるので安心してください。
このブログでは「はじめての人にも、わかりやすく」をモットーに解説していくので、もし分からないことがあればお気軽にご質問ください。
赤松の剪定ができるようになるための全体像
赤松の剪定をするための全体像を確認しておきましょう。
- 必要な道具を揃える
- 時期に合った剪定方法の理解
- 実際にやりながら覚える
それぞれ簡単に説明すると下記のような感じです。この手順でやれば、赤松の剪定を効率よく覚えることができます。
松の剪定にはハサミや脚立など必要な道具が必要です。
時期によって剪定方法が異なります。また剪定を避ける時期もあります。
「わかる」と「できる」は違うので、覚えた知識を実践して剪定をマスターしましょう
赤松の剪定に必要な道具
まずは、剪定に必要な道具を確認しておきましょう。
なぜなら、道具選びは赤松の仕上がりの美しさに影響するだけでなく、安全に作業するうえでも、とても重要な要素だからです。
プロの庭師おすすめの道具を紹介しますよ!
三脚脚立
脚立は必ず三脚脚立を使用しましょう。
なぜなら、三脚脚立は足場の悪いところでも安定して使えるから。
一般的な四脚の脚立では、安定せずに転落の危険があるので非常に危険。
安全に作業するためにも三脚脚立での作業を、強くおすすめします。
植木鋏
赤松を剪定するのに必ず必要なのが植木鋏です。
細かい剪定に向いている植木鋏は、作業の効率を飛躍的にあげてくれます。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
剪定鋏
枯れた枝や太い枝を切るときに活躍するのが剪定鋏です。
細かい作業には向いていないので、植木鋏と使い分けることで剪定を効率的におこなえます。
ノコギリ
剪定鋏でも切れない太い枝を切るときに使用。
折りたたみ式ならコンパクトになるので携帯に便利。
薄手のゴム手袋
赤松の葉は尖っていて、手に刺さると痛いのでゴム手袋をしましょう。
ですが、下記で解説する、もみあげをする際にあまり厚手のゴム手袋だとやりにくくなってしまいます。
なので、下のような薄手のゴム手袋を使えば、素手と同じ感覚で作業ができるのでおすすめです。
赤松(アカマツ)の剪定の時期
それでは、赤松の剪定について解説していきたいと思います。
赤松の剪定に適した時期は年2回ある
赤松の剪定に適した時期は年2回、下記の通りです。
時期にあわせた剪定方法も一緒に記載していますが、詳しい剪定方法は次の章で解説しています。
剪定時期 | 剪定方法 |
---|---|
4~5月末 | みどり摘み |
10~1月 | もみあげ・透かし剪定 |
このように赤松には春と秋から冬の2回、剪定に適したタイミングがあります。
【赤松(アカマツ)の春剪定】みどり摘みで樹勢を抑えよう
みどり摘みは4~5月上旬におこなう、春の剪定方法です。
赤松の新芽を「みどり」と呼び、みどりを摘む(折る)作業のことをみどり摘みと呼びます。
みどり摘みの目的は下記の2つです。
- 新芽をとって樹勢を抑える
- 樹形を整える
みどり摘みをおこない、赤松の樹勢をおさえることで美しい樹形を楽しむことができます。
それほど難しくないので、サクッと覚えちゃいましょう!
みどり摘みのやり方
まずは、新芽が複数出ていると思うので、その中でも真ん中の樹勢の強い芽を根元から折りましょう。
時期が遅いと指で折れないことがあります。その時は植木鋏で切りましょう。
そして、必ず新芽の根元で切るのがポイント。中途半端なところで切ると、切り口から新たに新芽が出てきて、余樹形がみだれる原因になります。
次に、残っている新芽の数を1~2本になるように調整します。
2本残す場合は、2本の芽がVの字になるように残すと、自然な感じに仕上がります。
最後に、芽を2本残した場合は、長さを揃えれば樹形が整います。短い方の芽にあわせて長い方を途中で切れば終了です。
赤松(アカマツ)の秋剪定「もみあげ」と「透かし剪定」
秋からは、10~1月の期間を目安に「もみあげ」と「透かし剪定」をおこないましょう。
この2つの剪定は、同時におこなうと効率よく作業できます。
みどり摘みにくらべると少し難易度が上がりますが、しっかりとポイントを押さえれば大丈夫です!
もみあげとは?
もみあげは去年の古葉をむしりとる作業のことです。
もみあげには3つの目的があります。
- 赤松の樹形をスッキリ美しくする
- 日当たりの調整をして枯れにくくする
- 害虫の予防
このように、もみあげは赤松にとって大事な剪定なので、できるようなっておきましょう。
もみあげのやり方
もみあげのやり方は、去年の古い葉を手でむしっていきます。
あまり強引にむしると皮までむけてしまうので、写真のようにむしる方向には注意が必要です。
また一緒に今年の葉も4~6枚、残すようにムシっておけば、全体的にスッキリとした印象になります。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
透かし剪定とは?
透かし剪定は不要な枝を剪定して、松の成長をコントロールしたり病害虫の予防を目的とした剪定方法です。
はじめは、不要な枝の判断が難しいと思うので、わかりやすい簡単な枝から剪定していきましょう!
透かし剪定のやり方
赤松の透かし剪定のやり方を、「芽」と「枝」に分けて解説していきます。
まずは、芽の数を減らしていきましょう。
多いものでは5、6本ほど芽が出ていることがあるので、1~2本になるように植木鋏で切っていきます。
真ん中の強い芽を外したあとは、V字になるようにバランスを考えて他の芽を切りましょう。
不要枝は下記を参考にしてみてください。
- 徒長枝:上に強く伸びた枝
- 交差枝:他の枝と交差した枝
- 逆さ枝:幹に向かって伸びている枝
このような枝を切りながら、少しずつ枝を透かしていきましょう。
切る場所は、根元に小さな芽があればそこで切り、なければ枝の分かれている股のところで切りましょう。
最後に下からのぞいてみて、写真のように空が透けていればOKです。
風通しも良くなって、病害虫の予防にもなりますよ!
赤松(アカマツ)の基本情報
学名:Pinus densiflora
樹木情報:マツ科の常緑針葉樹
自生地域:本州・四国・九州・北海道の西南部
成長速度:早い
特徴:赤松の葉は黒松にくらべて柔らかいことから、雌松(メマツ)と呼ばれることがある。樹皮は赤みが強く、擦ると剥がれ落ちる。松茸が生えることでも有名
赤松(アカマツ)の育て方
大切な赤松(アカマツ)を枯らしてしまわないように、正しい育て方を確認しておきましょう。
赤松の生育環境
赤松は日当たりのよい場所を好み、痩せ地や乾燥地でもよく育ちます。
赤松の水やり
植え付けてから2年未満の場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。
地面に植えて2年以上経つ赤松は、特に水やりの必要はありませんが、夏場に雨の降らない日が続いた場合は水やりをしましょう。
赤松の肥料
冬の1~2月の間に、油かすや骨粉などの有機肥料を木から少し離れたところに埋めると生育が良くなります。
やりすぎも良くないので、冬の間に1回おこなえば大丈夫です。
赤松(アカマツ)の害虫対策
赤松は害虫被害に遭いやすい木なので、対策法を確認しておきましょう。
マツに付きやすい害虫はこちら
- マツカレハ
- ハダニ
- カイガラムシ
- アブラムシ
- マツノマダラカミキリ
マツカレハ
もっともよく見る害虫にマツカレハの幼虫があります。
マツケムシとも呼ばれ、葉を食べて、ひどい場合は枝も枯らしてしまうので要注意。
見つけた場合は手で取るか、薬剤散布で駆除できます。
ハダニ
ハダニは体長0.5mmほどの小さな虫で、松の葉を吸汁して、葉の色を悪くします。
駆除の方法は、ハダニは水に弱いため、散水したあとに、薬剤を散布して駆除しましょう。
カイガラムシとアブラムシ
カイガラムシとアブラムシは、すす病を併発するので注意が必要です。
すす病は赤松を黒く汚し、枝の成長を阻害してしまいます。
駆除の方法ですが、カイガラムシは古い歯ブラシなどを使って物理的に駆除しましょう。
アブラムシの発生、すす病を確認した場合は薬剤散布での駆除が効果的です。
マツノマダラカミキリ
厳密には、マツノマダラカミキリの体についている、マツノザイセンチュウというセンチュウが松を枯らしてしまいます。
駆除には、センチュウを運ぶカミキリを薬剤で駆除する方法と、赤松に直接薬剤を注入する方法があります。
ポイントを押えて赤松の剪定にチャレンジしてみよう
赤松の剪定はポイントさえ押さえることができれば初心者でもチャレンジできます。
ですが、無理は禁物。脚立などで転倒してケガをする可能性も十分にあります。
安全第一。
すこしでも危ないと感じたら、プロの庭師さんにお願いしてみましょう。
下記の記事では、おすすめの剪定業者を紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
もちろん、岡山県内であれば私たち福森造園に、お気軽にお問い合わせください。
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